サッシやドアを閉めきった状態でも気圧差が生じるとサッシ等から空気が出入りします。これをすきま風といいます。
<引違いサッシの気密構造とすきま風>
引違いサッシは、障子(ガラス戸)の全閉時にすきまを塞ぐために、枠や障子にパッキンなどの気密部品を取り付けています。室内外に気圧差が生じると、気密部品の接触部分からすきま風が発生することがあります。
すきま風を少なくするには、気密部品の接触を強くすることで対応できますが、開閉が重くなるなどの影響が出る場合があります。
このため、すきま風を構造上完全に防ぐことはできません。
<サッシの気密性能>
サッシの気密性能は、枠と障子の接触部分から出入りする空気の量で示します。この空気の量が少ないほど性能がよいといえます。日本産業規格(JIS)では、気密性能を等級で規定しております。
JISの規定でもあるように、サッシの気密性能は空気の出入りがあることを前提として等級を決めており、出入りする空気量が0という等級はありません。
例えば、住宅用サッシの気密性能は、JISでは一般的にA-3等級またはA-4等級に該当します。1時間に空気が出入りする量は、サッシ表面1㎡当たりA-3等級では8㎥以下、A-4等級では2㎥以下となります。
A-3等級に比べA-4等級の方が空気の出入りする量が少ないため、気密性能がよいことになります。
◇A-3等級
風速4m/s程度の風(※1)が正面からサッシに当たっているときに、サッシ表面1㎡あたりに1時間8㎥(※2)以下の空気が出入りする性能です。
※1 木の葉や小枝が休みなく動く程度の強さ
※2 一辺が2mの立方体の質量
◇A-4等級
風速4m/s程度の風(※1)が正面からサッシに当たっているときに、サッシ表面が1㎡あたりに1時間に2㎥(※2)以下の空気が出入りする性能です。
※1 木の葉や小枝が休みなく動く程度の強さ
※2 2m×1m×1mの直方体の質量
<すきま風が強いと感じられる場合の対処方法>
すきま風が強いと感じられる場合、サッシ各部の調整が不十分であることが考えられます。調整方法については、サッシメーカーが発行している取扱説明書やホームページ等をご参照ください。
また、パッキン等の気密部品のねじれや、経年劣化についても気になる点があれば、メーカーが発行している取扱説明書やホームページ等を参照の上、建築会社様、工務店様、販売店様にご相談ください。
なお、換気扇を使用した場合は、気圧差が大きくなり、すきま風が多くなることがあります。