サッシを閉めきった状態でも音が室外から室内へ侵入したり、室内から室外へ漏れたりすることがあります。
<サッシからの音の侵入、漏れ>
音は、空気中を振動(音波)となって伝わります。
サッシには障子(ガラス戸)の全閉時に音の侵入、漏れを低減させるために、枠や障子にパッキンなどの気密部品を取り付けてすきまを少なくしています。よりすきまを少なくするには、気密部品の接触を強くすることで対応できますが、開閉がおもくなるなどの影響が出る場合があります。このため、すきまを構造上完全になくすことはできず、音を完全に遮断することはできません。
<サッシの遮音性能>
サッシの遮音性能は、室内外への音の出入りをどの程度遮ることができるかを示す性能です。
日本産業規格(JIS)では、サッシの遮音性能は音の通過があることを前提として等級を決めており、音の侵入、漏れが0という等級はありません。これはサッシ単体の遮音性能を測定できる専用の実験室で測定した性能であり、室内の遮音状態を表す目安としたものです。室外の騒音レベルから、サッシの遮音性能値を差し引いたものがおよその室内の騒音のおおきさとなりdB(デシベル)で表されます。
◇T-1等級
25dBの音を遮る性能を持っており、室外で80dBの音を実験室内では55dBまで下げることができるという性能です。
◇T-2
30dBの音を遮る性能を持っており、室外で80dBの音が実験室内では50dBまで下げることができるという性能です。
◇T-3
35dBの音を遮る性能を持っており、室外で80dBの音が実験室内では45dBまで下げることができるという性能です。
<サッシ性能値と実際の住宅での測定値は違う>
サッシの遮音性能は実験室で測定したものであり、実際の住宅ではサッシ以外のすきまの有無など、空間条件が異なりますから、カタログなどに記載しているサッシの遮音性能と、実際の住宅で測定する数値とは異なります。これは、サッシ以外に、換気口、換気扇まどからの空気の出入りや、ベランダの有無、ベランダの構造、家具の配置などによって異なります。よって、各部屋に同じ遮音性能のサッシが付いていたとしても、騒音レベルが異なります。
<音の侵入、漏れが大きいと感じられる場合の対処方法>
音の侵入、漏れが大きいと感じられる場合は、サッシ各部の調整が不十分であることが考えられます。調整については、メーカーが発行している取扱説明書やホームページ等をご参照ください。また、パッキン等の気密部品のねじれや、経年劣化についても気になる点があれば、メーカーが発行してる取扱説明書やホームページ等を参照のう上、建築会社様、工務店様、販売店様にご相談ください。
室内の騒音レベルを低くするには、室内に厚地のカーテンやじゅうたんなど、吸音効果のあるものを使用するという方法もあります。