19.落雷による電装商品への影響

遠くで雷が鳴っているときに、家電製品はなんともないのに玄関ドアの電気錠が壊れるという場合があります。これは、建造物の壁面や外部に設置される玄関ドアや窓、エクステリア商品などに使用されている電装部品は落雷による被害を受けやすい状況にあるためです。ここでは落雷の種類とその影響について説明します。

<落雷の種類とその影響>

落雷には、建物や送電線などに直接雷が落ちる「直撃雷」、大気中で発生している放電現象や直撃雷の影響で発生する「誘導雷」、避雷針や鉄塔などに落ちた雷の一部が、配電線や地面を伝わって逆流する「逆流雷」があります。
          

直接雷が落ちなくても数キロ先に落ちた雷が誘導雷サージ※や逆流雷サージとなって伝わり被害を与えます。
一般家電製品の落雷被害の多くは、電源線に誘導される誘導雷サージによるものです。一方、玄関ドアは土間に接地しているため、電気錠が逆流雷サージの影響も受けやすい状況になっています。
※雷サージとは、雷により発生する異常な電圧(電流)のことをいいます。

<雷サージの侵入経路>

 

雷サージの侵入経路は右図の通りです。地面、壁面、電源線、通信線、TVアンテナなどを通じて侵入し、TVなどの一般家電製品、電気錠などの電装部品に被害が発生します。各事業者では侵入経路に対策を施していますが、雷サージは突発的に発生し、非常に高い電圧(電流)のため、侵入を完全に防ぐことは困難です。

<落雷による被害の発生を低減するための対策方法>

落雷による被害の発生を低減するため、以下の対策方法があります。
 ・専用のブレーカー(配線用遮断器)を設置する。雷発生時にはブレーカーを落としてください。
 ・分電盤にアレスター(避雷器)を設置する。
※電装部品は雷の影響で壊れやすくなっている場合があります。雷被害により不具合が発生した電装部品は交換をお願いします。